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国際貿易取引にともない海上(航空)輸送される貨物は、常にさまざまな危険にさらされています。外航貨物海上保険は輸出入などの貿易取引に携わる皆さまにとりまして、貨物の輸送中における万一の事故による損害を補償する保険です。
外航貨物海上保険は、原則として「A地点からB地点まで」の運送期間中に生じた「海上危険」や「ストライキ危険」、あるいは航海中「a.積込港」から「b.荷卸港」までに生じた「戦争危険」によって運送貨物に滅失または損傷で受けた損害をてん補します。
これは、輸出取引・第三国間取引・輸入取引の当事者はセラーとバイヤーの2者だけでなく、国際間物流に係る空海陸を一貫とした複合運送業者等および通関業者等並びに商流に係る海外金融機関等のネットワークが介在するものです。その国際性から保険の取扱いを定めているのは約款ですが、英文表記であり、それもロンドン保険業者協会制定の各種協会貨物約款(Institute Cargo
Clauses:ICC)等が使用されております。それに加えて、保険金の請求に関しては英国の法律および慣習に準拠し、それ以外の分野では日本の商法や保険業法等を適用しているという特徴をもっております。これは、世界中どこの国で外航貨物海上保険を手配されていても保険金査定の尺度を英国の法律および慣習に準拠しようとするものです。
すなわち、セラーが輸出取引のうちCIFの輸出貨物に外航貨物海上保険を手配した場合、本船上での貨物の引渡時を境目に被保険者の立場がセラーからバイヤーに移動します。その移動の有無にかかわらず、「海上危険」のICC(A)約款、ICC(B)約款およびICC(C)約款等において保険金の査定上で問題が生じた場合に拠り所になるのは、日本の判例等でなく、あくまでも英国の法律および慣習です。また、輸入取引のうちFOBの輸入貨物に対しては輸入者により外航貨物海上保険を手配することになります。輸入者は本船上での貨物の引渡時を境目に被保険者の立場です。その段階で保険事故が発生した場合、保険金の査定上に問題が生じても、CIFの輸出貨物と同様に英国の法律および慣習だけを拠り所にするわけです。
保険金査定の尺度が同一であっても、保険事故が発生しますと大変です。それには保険を手配するだけでなく、第三国間取引においてCIF貨物を調達する場合、船舶への積込時に荒天遭遇時に保険事故が惹起しないように、航海に堪えられる梱包仕様(Seaworthy Packing)になっているかどうか点検してもらうことが重要です。それには、貨物の積込時にサーベヤーに立ち会ってもらうように仕向けることが得策です。それが貨物事故の回避につながり、バイヤーとの持続的関係を高めると言えます。